映画「アリスとテレスのまぼろし工場」感想

「アリスとテレスのまぼろし工場」を見ました。前情報は「脚本・監督 岡田麿里」、「美術監督 東地和生」という事だけです。
映画「アリスとテレスのまぼろし工場」|maboroshi

さよならの朝に約束の花をかざろう」が好きだったので見ることにしました。さよ朝の感想は以下から。
https://matsudamper.hatenablog.jp/entry/2018/03/14/120627

特典のやつ

感想

さよ朝の時に思っていましたが、特殊な条件を作ってその時に人の感情、特に好きという感情がどう動くかを考察して作品にする人だなと思いました。
さよ朝の時は年齢が止まって子供だけ成長していく時にどうなるか。今作はとても条件が複雑で難解でした。特定の時間でスナップショットを取り、その時点の状態から外れようとすると修復、消される。更に現実では時間が進んでおり、ひび割れから進んだ時間の自分を見てしまうという。
これに気がついた時に、今作のストーリーの面白さに加えて、作り手の意図が見えて更に面白いと思いました。

とにかく最初はなんなのか分からなかった。わかると一気に引き込まれていきましたが、わかるまでが結構時間がかかったなと思いました。

登場人物がみんなやりたい事をやってるのが良かったです。変化をしたい若い人たち。神社のやつは、世界を同じように維持すれば永遠の命であれる。時宗は世界を好き勝手やって変えても、その状態でも少しでも長続きしようとした。主人公「正宗」は神隠しによって止まってしまった現実の世界の自分達の時間を進める為に五実を現実世界に返そうとする。

「主人公」と呼べる人は最終的に三人になるわけですが、五実は若い時の親を好きになるという(しかも完全にそうとも言えない)というめちゃくちゃな条件でしたね。そして最後の過去に思いを馳せるシーンは良かった。

おわりに

さよならの朝に約束の花をかざろう」も「アリスとテレスのまぼろし工場」も好きなので、岡田麿里さんの次回作もとても楽しみにしています。
これから小説の方も読もうと思います。あと、週替り特典もあるみたいなので後一回は少なくとも見に行こうと思います。